里親制度 について

里親制度 や、里親制度の実状、制度を取り巻く環境などをご紹介いたします。

家庭で生活できない子どもたち

すべての子どもが明るく健やかに成長していくためには、安心して自分を委ねられる養育者によって、十分な愛情と理解をもって養育されることが何よりも大切です。
しかし、親の病気や離別、虐待などにより自分の家庭で生活できない子どもたちが増えています。

社会で子どもを養護する仕組み

○社会的養護とは

  • 家庭で養育できなくなった子どもを社会的責任で養育していくことを「社会的養護」といいます。令和2年4月版「社会的養育の推進に向けて」の中で、社会的養護を行う対象児童数は約4万5千人となっています。

    日本では、社会的な養護を必要とする子ども達の80.3%が児童養護施設や乳児院で、19.7%が里親などで養育されています。

    一方、世界の主要国では、2010年前後と少々古い資料になりますが、オーストラリア94%、アメリカ77%、イギリス72%などと里親が養育している場合が圧倒的に多くなっています。

    里親が養育した場合、特定の大人との愛着関係により子どもが安心した生活を送るようになり、心の安定や物事に積極的になるなどの効果が認められ、平成28年に改正された児童福祉法では、その理念に家庭養育優先原則を掲げるとともに、新たな社会的養育ビジョンでその具体的な方向性が示されたところです。

新ビジョンの里親委託の取組み目標

  • 3歳未満:75%以上 【概ね5年以内】
  • 3歳以上・就学前:75%以上 【概ね7年以内】
  • 学童期以降:50%以上 【概ね10年以内】
今後、実親と暮らすことができない子ども達が施設を中心に養育されてきた日本の社会的養護のあり方を改め、特別養子を含む里親家庭での養育を原則に推進できるよう、様々な施策が展開されていくことになります。

○施設養護

  • 社会的養護施設のうち、①児童養護施設、②乳児院、③グループホーム(地域小規模児童養護施設)等で子どもの養育をする場合を施設養護といいます。

○家庭養護

  • 施設養護に対して、家庭で養育する
    ①里親
    ②ファミリーホーム(小規模住居型児童養護事業)
    を家庭養護といいます。

里親委託への優先

○里親委託の役割

  1. 特定の大人との愛着関係の下で養育され、安心感の中で自己肯定感を育み、基本的信頼感を獲得できる
  2. 適切な家庭生活を体験する中で、家族のありようを学び、将来、家庭生活を築く上でのモデルにできる
  3. 家庭生活の中で人との適切な関係の取り方を学んだり、地域社会の中で社会性を養うとともに、豊かな生活経験を通じて生活技術を獲得できる

里親とは

子どもは、親の愛情に恵まれた家庭で育てられることが望ましいのですが、私たちの身近には、経済的困窮、虐待、親の行方不明等さまざまな事情で家庭で育つことができなくなった子どもたちがいます。

そのような子供たちを自分の家庭に迎え入れ、あたたかい愛情と正しい理解をもって養育する人のことを「里親」といいます。

里親制度は、児童福祉法に基づいて、里親家庭の下での養育を、子どもたちに提供する制度です。

里親には、健やかに子どもを養育するため、守っていただく決まり(「里親が行う養育に関する最低基準」)が定められています。

具体的には、委託された子どもへの虐待の禁止、必要な教育を受けさせること、健康や衛生の管理、秘密の保持、子どもの養育を記録して児童相談所へ報告することなどです。

里親の種類

○養育里親

  • 様々な事情があって生活することができない子どもを、家庭に戻れるまで、または自立できるか18歳(場合によっては20歳)になるまで養育する里親です。

○専門里親

  • 養育里親のうち、虐待を受けた経験のある子どもや、障がいのある子どもを、経験と専門知識を活かして養育する里親です。
  • 専門里親になるには、委託された子どもの3年以上の養育経験などの要件があります。

○養子縁組里親

  • 養子縁組を前提とした里親で、将来にわたって親が養育していく見込みがなく、養子縁組が望まれる子どもを自分の養子として養育することを希望する里親です。
 ◇普通養子縁組
・家庭裁判所の許可が必要で、15歳未満の場合は代諾者(親権者or後見人)
が未成年者に代わって承諾することになります。

家庭裁判所の許可を得て戸籍の届出をすることによって成立し、養子は法的
に養親の嫡出子となりますが、実親方の相続権および扶養の義務を残してい
ます。

 ◇特別養子縁組
・子どもと実親との親子関係が法的になくなり(婚姻障害をのぞく)養親を唯
一の親とする養子縁組で、養親の責任がさらに明確になった制度と言えま
す。

特別養子縁組は、裁判所が特別養子であることを審判し確定します。成立要
件を満たす場合、養親となる者の6ヵ月の養育状況(試験養育)を考慮のう
えで審判されます。

   【成立要件】
①夫婦で共に縁組を行うこと

②養親となる者は25歳に達していなければならない。しかし、一方が25歳以上であれば、他
方は20歳を超えていればよい

③特別養子縁組の成立の審判の申立ての時に15歳未満であること
例外 1、15歳に達する前から養親候補者が引き続き養育している場合
2、やむを得ない事由により15歳まで申立てができなかった場合

④父母の同意。但し、父母が同意を表示できない。あるいは父母による虐待、悪意の遺棄、そ
のほか養子となる者の利益を著しく害する場合はこの限りではない。

⑤父母の養育困難、または不適当であること。そのほか特別の事情がある場合、子の利益のた
めに必要があると認められるとき。

○親族里親

  • 子どもの扶養義務者で、親が死亡や行方不明等の事情により子どもを養育できなくなった場合に、里親としての認定を受けて養育する里親です。

里親制度と養子縁組との違い

「里親制度」は児童福祉法に基づき、里親として登録した人に政令指定都市の市長が子どもの養育を委託する制度で、実際の親子関係は発生しません。

これに対して、養子縁組は民法に基づき親子関係を成立させるもので里親制度と養子縁組とは異なる制度です。

また、静岡市では原則的に社会的養護への理解のもと養子縁組里親として登録していただきます。
平成30年4月から、静岡市では、養育里親と養子縁組里親の両方に登録していただけます。

»別紙「里親制度と養子縁組との比較表」参照

里親の要件

特別な資格は必要ありませんが、次のような要件が必要です。
  1. 要保護児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること
  2. 経済的に困窮していないこと(要保護児童の親族である場合を除く)
  3. 里親研修を修了していること(養育里親・養子縁組里親・専門里親)
  4. 里親になることを希望する者及びその同居人が欠格事由(※)に該当しないこと
※欠格事由について
  • 成年被後見人、被保佐人(同居人にあっては除く)
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることができなくなるまでの者
  • 児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者 等

里親についてQ&A

Q:子どもの養育費は誰が負担するのですか?
A:子どもの年齢や状況に応じて、生活費、教育費など一定額の経費が公費で支給されます。また、養育里親・専門里親・親族里親(叔父、叔母)については、里親手当も支給されます。
Q:登録したらすぐ委託されますか?
A:面会や交流を繰り返し、相性などを確認したうえで委託しますので、登録後すぐ委託される場合もありますし、委託までに時間がかかる場合もあります。
Q:何人まで養育ができますか。また実子がいても里親になれますか?
A:同時に養育できる委託児童は養育里親の場合4人、専門里親の場合2人までです。また実子がいても里親になることは可能ですが、委託児童と合わせて6人を超えることはできません。
Q:子どもの性別・年齢などの希望は言えますか?
A:里親さんから事前に子どもの性別・年齢・養育機関などのご希望は伺いますが、ご希望にそえることばかりではありません。
Q:里親として養育する期間はどのくらいですか?
A:養育をお願いする期間は数日間から数年間までさまざまです。例えば、普段は施設で生活している子どもを、週末だけ里親として預かる「ショート・ルフラン」という制度もあります。

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