H28.5.27 待ちに待った児童福祉法改正案が可決・成立!

平成28年5月27日(金)に、児童福祉法改正案が参議院本会議で可決・成立しました。

今回の法改正が画期的であるのは、これまでの法改正がその時代ごとに顕在化してきた課題への実務的な改正に留まっていたものと異なり、平成22年に制定されて以来変わらなかった理念を根本的に変えるとともに、子どもや家庭等をめぐる社会の大転換に対応した法体系に変えていく端緒となるでしょう。

まず、「子どもの権利条約」の精神を規範として、子どもの権利保障や最善の利益が盛り込まれるとともに、代替的養護については、特別養子縁組や里親を優先することが明確化されました。

また、児童虐待の発生予防や児童虐待発生時の迅速・的確な対応のための体制強化に関する規定が整備されました。

特に、里親に関係する規定に絞ってみていくと、先ほどみたように、代替的養護における特別養子縁組や里親の優先のほか、親子関係再構築支援の役割が里親にも求められていること、児童相談所業務に里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援や養子縁組里親が法定化され、養子縁組に関する相談・支援を児童相談所業務に位置付けられたことなどが挙げられます。

今後に委ねられた検討項目としては、要保護児童の保護措置に関する裁判所の関与の在り方、特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討のほか、施行後2年以内に、児童相談所の業務の在り方などの方策が挙げられていますが、これらの検討を踏まえて、さらに、法や制度改正が進められていくことになると思われます。

里親の役割が、新たな子ども家庭福祉を構築していくうえで、一層重要性を増すことになる一方で、その責任や効果が求められることになります。

そのためには、養育技術のさらなる向上とともに、様々な関係機関や団体との連携や地域とのつながりなど、より開かれた関係づくりが求められるようになっていくでしょう。

当然、当センターの真価も一層問われていくことになると考えています。

里親さんのご支援を得ながら、今後の対応として、当センターの発展に向けて尽力していく所存ですので、今後ともよろしくお願いします。


 

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