我が国でも、社会的養護に関する改革が平成23年から急速に進んでいます。
一つに、厚労省は里親委託優先を打ち出し、本体施設、グループホーム及び里親等を3分の1にするため、都道府県に「家庭的養護推進計画」(H27~41年度までの15年計画)を今年3月までに策定させ、それに基づく当該計画の着実な推進を進めようとしています。
しかも、このような動きを飲み込むような大きな制度改正を推し進めようとしています。
それは、現在の社会の変容等に伴う子どもと家庭を取り巻く今日的な課題に対応するため、9月に厚生労働省に専門委員会を設置し、新たな子ども家庭福祉のあり方について包括的な検討をするとともに、その議論を踏まえた児童虐待の発生予防から自立支援までの一連の対策の更なる強化について検討を進めています。そして12月10日の会合を最後に、報告書がまとめられることになっています。厚労省は、この報告書を基に、来年通常国会で児童福祉法改正するための法案を提出するようです。
この報告書の中で、特に里親支援に関連することだけでも、①児童の対象年齢の引上げ、②児童福祉法に家庭養育を原則とする規定を設けること、③特別養子縁組制度の見直し、④里親の名称を「養育家庭」や「養護家庭」に変更すること、⑤「里親支援機関事業」を当センターのような総合的な支援事業ができるよう(この報告書の中で、英国の「foster agency」とともに、「当センター」が取り上げられています。)「家庭養育事業(仮称)」に改め、「法定事業」として新たに創設すること、⑥児童相談所の機能の分化、⑦自立支援の見直しなど、多岐にわたっています。
非常に大がかりな制度改正になるようで、5年位をかけて段階的に進められるようです。